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所長・弁護士コラム

それでも僕はやっていない

弁護士の吉村です。

先日来,当事務所ではある痴漢えん罪事件を受任し,その対応をして参りました。

そして,昨日,無事に勾留満期における不起訴を勝ち取ることに成功しました。

事案は,ラッシュアワーの通勤満員電車内で,痴漢をしたというものでした。

依頼者は,事件当初から,自分は犯人でないと述べていましたが,取り調べ担当副検事より「犯人はお前しかいない等の脅迫とも言える取り調べを受けていました。困り果てた依頼者が,そのご家族を通じて私の下へご相談にいらし,当事務所にて受任することとなりました。

以降,無事釈放されるまで,毎日接見に赴き,依頼者の供述の記録化(弁護人面前調書の作成),身柄拘束に対する不服申立(準抗告),副検事の取り調べ調書への署名・捺印拒否,当該事件現場の確認・撮影・調査等の弁護活動を継続的に行って参りました。

依頼者の供述は,詳細かつ合理的で,当初から一貫した強いものでした。他方で,依頼者を犯人だと指し示した女性の供述は,極めてあいまいかつ不合理で,しかも,その供述を裏付ける客観的証拠,目撃証言等は一切ありませんでした。これで,どうやって公判を維持するというのでしょう?こんな証拠状況で起訴されたらたまったものではありません。もちろん,私は当該担当副検事が起訴しないよう説得しました。

確かに,卑劣な痴漢犯罪は後を絶たず,多くの女性が耐え難い屈辱を受け被害を受けています。それは,残念ながら現実です。そして,今回の事件で依頼者を犯人だと捕まえた女性も,もしかしたら本当に当該車両で痴漢を受けていたのかもしれません。

しかし,それでも彼はやっていません。それは,当初から争いのない状況から,客観的にあまりにも明らかでした。担当副検事は,嫌がらせともとれる捜査をひたすら続けました。この時点で裏付けをとる必要がない会社への照会(この不必要な照会により,依頼者が逮捕拘留されている事実が会社に伝わり,解雇等を含む社会的不利益を被ります。),勾留満期日,すでに結論は出ているにもかかわらず(検察庁では,勾留満期日前日に決済を得て結論を出すはず。),深夜まで依頼者を釈放せずに,最後まで「犯人はお前しかいない。」と取り調べるなどをしたのです。新たな証拠でもあるならともかく,手ぶらで警察署まで来て,最後まで結論を押しつける取り調べをするなんて,嫌がらせ以外の何者でもないでしょう。

結局,昨日,不起訴・釈放。この分かり切った結論を前提に不当な捜査をした副検事は,もし,依頼者が会社をクビになったら責任をとるのでしょうか?

ちょっと怒りすぎました。

何にせよ,依頼者は晴れて自由の身で,迎えに来てくれたご家族と共に,笑顔で自宅へ帰っていきました。その姿を見ることが出来,本当に良かったです。いつもどおり会社へ出勤して仕事に復帰できることを祈ります。

以上,若干怒りにまかせてお見苦しく,申し訳ありませんが,ご報告致します。

 

 

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