改正育児・介護休業法への実務対応
2010/03/07
弁護士の吉村です。今日は,改正育児・介護休業法についての情報提供です。
我が国においては少子化が進行し、人口減少時代を迎えています。少子化の急速な進行は、労働力人口の減少、地域社会の活力低下など、社会経済に深刻な影響を与えます。一方で、子どもを生み育て、家庭生活を豊かに過ごしたいと願う人々は男女ともに多いにもかかわらず、こうした人々の希望が実現しにくい状況がみられます。
持続可能で安心できる社会を作るためには、「就労」と「結婚・出産・子育て」の「二者択一構造」を解消し、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」を実現することが必要不可欠です。一人ひとりの生き方や子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて男女ともに多様な働き方の選択を可能とする社会とすることが、人々の希望の実現となるとともに、企業や社会全体の明日への投資であり、活力の維持につながります。
このためには、全ての労働者を対象に長時間労働の抑制等仕事と生活の調和策を進めていくとともに、特に、子育てや介護など家庭の状況から時間的制約を抱えている時期の労働者について仕事と家庭の両立支援を進めていくことが重要です。
こうした中、仕事と家庭の両立支援策を充実するため、育児・介護休業法(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)が改正されることとなりました。
改正の概要は次のとおりです。
1子育て期間中の働き方の見直し
3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とし、労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する。
○ 子の看護休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上であれば年10日)。
2父親も子育てができる働き方の実現
○父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)。
○父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする。
○配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。
※これらにあわせ、育児休業給付についても所要の改正
3仕事と介護の両立支援
○介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が、1
人であれば年5日、2人以上であれば年10日)。
4実効性の確保
苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する。
○勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又
は虚偽の報告をした者に対する過料を創設する。
(以上,厚生労働省HP参照)
以上の改正を踏まえ,企業には,就業規則等の整備,制度導入に伴う体制の整備などが求められ,実務への影響は少なくありません。
早めの対応をお勧めいたします。
以上,ご参考になれば幸いです。