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私は、アパートを2年間の賃貸借契約で借りています。再来月で契約期間満了となります。昨日、大家さんから契約更新の有無の確認と、更新するなら家賃1か月分の更新料を支払って欲しいと話がありました。私は更新料を支払わなくてはいけませんか?

弁護士からの回答

弁護士からの回答

更新料とは、土地、建物の賃貸借契約を更新する際に、家賃とは別に更新の対価として貸し主に支払う金員のことです。賃貸借契約書のなかに、更新料の支払義務を定めた特約条項がある場合、契約更新の際に借り主は貸し主に更新料を支払わなければなりません。

解説

更新料とは

更新料とは、土地、建物の賃貸借契約を更新する際に、家賃とは別に更新の対価として貸し主に支払う金員のことです。なお、更新料のほか、仲介業者に更新事務手数料を支払う場合もあります。

支払義務の有無

賃貸借契約書のなかに、更新料の支払義務を定めた特約条項がある場合、契約更新の際に借り主は貸し主に更新料を支払わなければなりません。この場合、更新料支払は賃貸借契約を継続していくための金銭支払ですので、更新料の支払を怠ることは債務不履行となります。よって、更新料不払いが貸し主と借り主の信頼関係を破壊するに足りる特段の事情があると認められる場合は、貸し主から賃貸借契約を解除することが可能です。

これに対し、賃貸借契約上、あらかじめ更新料の定めをしていない場合は、借り主は更新料を支払う義務がありません。

更新料支払特約の効力

更新料の特約について、借地借家法が、期間の定めのある通常の賃貸借契約について貸し主は正当な理由がない限り更新拒絶できないとし(28条)、これに反する借り主に不利な特約は無効とする(30条)と定めているため、特約自体が無効になるのではないかという問題があります。更新料の金額が著しく高額である場合など、借り主に一方的に不利な特約は無効となります。

対応方法

賃貸借契約書に更新料支払の特約が定めてある場合、借り主は更新料を支払わなくてはなりません。また、家賃の1か月分の更新料は、不当に高額であるとはいえないため、更新料支払特約は効力を有しています。更新料の不払いだけでは、貸し主との信頼関係が破壊されたとは言えず、貸し主が契約解除したとしても解除無効になる可能性もありますが、更新料支払義務がありますので、更新料を支払います。
賃貸借契約書に更新料支払の特約が定められていない場合は、更新料の支払義務はありません。しかし、賃貸借契約のような継続的契約においては、当事者間の信頼関係が非常に重要な要素ですので、貸し主と話し合いを持つのがよいでしょう。

弁護士に依頼した場合

どのように対処したらよいのか等法的なアドバイスをいたします。借り主・貸し主との交渉を代理して行います。

Q&A

Q 更新料を支払わないで住み続けることはできますか?

A 更新料の支払を拒否し続けながらそのまま住み続けることはできます。法定更新という状態になり、法律でも認められていることです。法定更新というのは、貸し主と借り主との間で合意による更新ができない場合に、借り主がそのまま住み続けても、借り主が一方的に追い出されたりしないように居住権の存続を認めた状態です。ただし、更新料を支払わないことで、貸し主や管理会社とトラブルになり、快適に住み続けることが困難になる場合もあります。