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本当に痛ましく

そして、怒りや悲しみのいきどころのない事件が今朝起きました

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190528/k10011931941000.html

 

死傷の被害者の方がかなり多いですし

小さな子が被害者となってしまったため、

各学校などの登下校対応や

生徒のメンタルケアなどといった社会的な影響もかなり大きいと思います

さらに加害者男性も自殺により死亡しておりますので

被害者の方々、ご遺族の方々は

怒りや悲しみのぶつけどころもなく

また

十分な被害賠償なども受けられる見込みが低い状態になっていると思われます

(まだ加害者の資産状況や属性が明らかになっていませんが)

今回の事件をきっかけに

何人かの方から聞かれたのが

『加害者が死んだら刑事裁判にならないの?』

ということでした

結論としては

加害者の刑事裁判は行われません

ただ事件に関連する捜査はある程度行われると思われます

そのあたりについて

簡単に解説させていただきます

捜査の流れ

重大事件が起きると

多くの場合、加害者(=被疑者)は逮捕されます

その後、最大72時間以内に

被疑者は10日間勾留されます

さらに勾留は10日間延長されることが多いです

この勾留は

被疑者に逃亡や罪証隠滅の可能性がある場合に

警察署などに被疑者を留め置いた上で

証拠を集めたり、関係者や被疑者からの事情聴取などを行なって

最終的に起訴をする流れになります

起訴というのは

被疑者を刑事裁判にかける検察官による訴追行為です

そして

捜査というのは

被疑者を発見・確保して

また被疑者を刑事裁判にかけるかどうかの判断の

基礎になる証拠などを収集・保全する行為です

被疑者が死亡したら?

被疑者が死亡した場合については

刑事訴訟法に規定があります

339条

左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。

被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。

起訴されて刑事裁判にかけられた被疑者を

被告人といいます

そして、被告人が死亡した場合には

公訴棄却の決定を裁判所がすることになります

公訴棄却というのは

簡単にいうと

公訴(=起訴)を門前払いすることです

刑を受ける本人が死んでるんだから

裁判できないし、しても仕方がないでしょ

ということです

刑は相続されませんので

家族が代わりに処罰されることもありません

そうなると今回の件も

そもそも被疑者が

事件直後に死んでるわけですから

そもそも刑事裁判を開けないし

被疑者に刑を課すこともできません

そして、起訴したところで

裁判所が門前払い(=公訴棄却)をするわけですから

起訴する意味がないということになります

したがって

検察官は、被疑者死亡のため不起訴

という処分をすることになります

捜査する必要は?

こう考えると

そもそも捜査自体する必要がないんじゃないのかとも思います

しかし必ずしもそういうわけではありません

そもそも警察官は

検察官の指示を受けて捜査をするだけで

最終的に起訴・不起訴の処分ができません

ですので、事件に関する必要な資料を集めた上で

検察庁に送るのが警察官の仕事です

例え被疑者が死んでいようが

警察官は

現場の実況見分を行い、関係者から事件状況の聴取を行い

そして凶器などの物証を確保して

検察官の判断に必要な資料を送ることが使命です

(これは刑事訴訟法に定められている警察官の職務です)

これがテレビなどで耳にする、いわゆる

「被疑者死亡のまま書類送検」

という処理です

警察官にこのような処理が義務付けられているのは

検察官による最終的なチェックを受けさせることで

国民の捜査機関への信頼を確保することも

その目的だと思います

「公益の代表者」である検察官が

事件の真相に迫り

警察官による捜査が適切に行われたことをチェックし

そして

被疑者が死亡したからといって真相究明を曖昧にしない

という姿勢を見せることで

国民の知る権利にも応える

これらが、検察官と警察官という捜査機関への信頼を維持することに

繋がるのだと思います

ただ、事件を起こす動機やきっかけ

犯行計画など

判明しないことも多いのではないかと思います

最後に

今回の事件はまだまだ分からないことが多いです

しかし、捜査機関が捜査を尽くすことで

事件の原因を究明するとともに

同種の悲劇を起こさないためのヒントを提供していくことに繋がるはずです

被害者の方々は本当に辛いお気持ちの中にあると思います

しかも被疑者死亡のため

被疑者の家族が皆相続放棄すれば

被疑者側からの十分な賠償も受けられません

犯罪被害者給付制度という国の制度もありますが、十分な賠償が受けられるかは…

様々な問題をはらんだ今回の事件

引き続き報道などに注目していきたいと思います

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