【佐川元国税庁長官「不起訴不当」】検察審査会の流れについて簡単に解説!!

コラム

2019年3月15日付で大阪の検察審査会で

森友問題に関連して決裁文書改ざんに関与したとされている佐川元国税庁長官について

「不起訴不当」

という議決がなされたとのことです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43076260Z20C19A3AC8000/

 

検察審査会という言葉は

最近ですと

刑事弁護界の重鎮の神山弁護士が指定弁護士を務めている

東京電力の経営陣の業務上過失致死傷罪についての検察審査会
そして強制起訴・刑事裁判
が注目されましたし
明石花火大会、薬害エイズ等も有名です

 

検察審査会とは?

検察審査会とは簡単に言うと

 

検察官の起訴不起訴の判断は独善的になりがちなので

 

検察官の不起訴処分に対して

被害者や告発を行った人などが

「もう一度捜査しなおせ!!」
「起訴されるべき事案なんだから起訴処分をしろ!!」

という申立を行うことができます(検察審査会申立)

 

この申立を受けて

選挙権を有する国民から無作為に選ばれた11人の審査員が

改めて不起訴処分が相当不相当かを判断する手続が

検察審査会です

 

この検察審査会は

裁判員裁判と同様に

民意を刑事裁判手続きに反映させる制度の一つです

 

 

検察審査会の議決にはどんなものがある?

 

検察審査会での審査の結果

起訴相当

不起訴不当

不起訴相当

 

のいずれかの議決をすることになります。

このいずれの議決をするのかによって、その後の流れが大きく変わってきます

 

 

議決の後の流れは?

 

簡単な図を作ってみました。

起訴相当

との議決がなされると

検察庁に事件が戻り、再度の捜査が行われ

起訴不起訴をもう一度検察官が検討することになります。

 

その結果

起訴という判断がなされれば刑事裁判に突入する

ことになります。

 

一方、不起訴という判断になった場合は

改めて検察審査会が開かれます

 

その2度目の検察審査会で
起訴すべきという議決(起訴議決制度)がなされると
強制的に起訴されることになり(強制起訴)
弁護士の中から指定弁護士が選任され、
その指定弁護士が検察官役を務めることになります

要は、2度も不起訴にした検察官んじゃ当てにならないから

組織に染まっていない弁護士が検察官やってよ

ということになるのです

 

 

不起訴不当

との議決がなされると

検察庁に事件が戻り、再度の捜査が行われ

起訴不起訴をもう一度検察官が検討することになります。

 

これにより起訴されれば刑事裁判になるのですが

「起訴相当」とは異なり
不起訴処分となった場合には、それで手続き終了となります

要は、起訴議決制度は適用にならないということです

 

不起訴相当

との議決がなされるとこれで手続きは終了となります

この検察審査会の不起訴相当の議決に対する不服申し立ての制度はありません

 

 

最後に

東電では起訴相当⇒強制起訴となりましたが

今回の佐川元国税庁長官は不起訴不当の判断なので
再度検察官が不起訴にしたらそこで手続き終了です。

 

検察官の最終的な処分にはまだまだ時間がかかりますが

検察審査会という民意を受けて

検察官がどう判断するか注目です。

 

 

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