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2020年東京オリンピックが新型コロナウィルスの蔓延をきっかけに1年程度延期されました。

本当に中止にならなくてよかったと思います。

 

オリンピックの催行・中止・延期が騒がれていた際

朝日新聞が

「五輪チケット、規約上払い戻しは不可 コロナで中止なら」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200318-00000014-asahi-soci

 

という記事を出し、反響がありました

 

これに対し一部の法律関係者によって

チケット払い戻し請求できるのが原則

という解釈がウェブ上にアップされました

 

その後

 

「五輪チケット払い戻し不可は「事実と異なる」組織委」

https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202003180000707.html

 

という記事がアップされ、何となくこの話題は収束した感じになりました

 

しかし、一法律家として

どうもこの結論には違和感がありました

 

それは

規約を前提にした場合

本当に払い戻し請求できるの原則とか言ってしまっていいのか

 

そして

組織委の「事実と異なる」というのは何を否定したんだろうか

 

という点です

 

 

YouTubeでも簡単に解説させていただきましたので、こちらも併せてご覧ください!

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=u1ypMVexozs&feature=youtu.be

 

 

 

 

【結論(私見)】

 

結論から先にいいます

 

チケット規約(『東京2020チケット購入・利用規約』)を前提にすると

新型コロナを原因にオリンピックが中止になった場合

チケットの払い戻しはされない可能性が高いと考えています

 

『東京2020チケット購入・利用規約』

https://ticket.tokyo2020.org/Home/TicketTerm

 

払い戻しが「原則」という言い方自体に違和感がありますが

少なくとも

組織委は払い戻しを拒否する可能性は十分にあるので

法的紛争に発展する可能性はある

と思います

 

 

とはいえ多くのイベントでなされているように

主催者側(組織委)の政治的な判断で

規約上は返金しなくてもいいかもしれないけど今回は返金しよう

という判断がなされることはあると思います

 

要はまだまだまだ返金されるかどうかは不確定だと思います

ということです

 

 

原則返金という結論には違和感しかなかったので

規約を見てもらったうえで複数の弁護士に意見を聞いてみました

 

全員が「払い戻しが原則とはならないよね」という結論でした

 

多数決ではないですし、僕を含めて全員が間違っている可能性もありますが

 

少なくとも

法律家で意見が分かれる微妙な問題、両論あり得るよねという問題

つまり

裁判でガチガチ戦うことになるかもしれない問題

であることは明らかだと思います

 

ではなぜ「払い戻しが原則」とはならないのか

簡単に説明します

 

 

【契約当事者の合意】

 

まず簡単に契約の基本から説明します

 

今回チケットを買われた方は

組織委という法人が運営するオリンピックの式典や競技(セッション)を見るために会場に入場し、観覧し、座席等を使用することが出来る権利を取得したことになります。(規約第4条2項)

この権利の売買といった方がわかりやすいかもしれません。

 

民法上、私人間(個人間)ではどのような契約をするのも自由です

・買ったコーヒーを一口ずつ飲む契約

・アマゾンでカブトムシを捕まえて持ってくる契約

・1か月居候させてもらう契約

要は個人間でどんな約束をしようとも、誰にも口を出されないということです

(契約自由・私的自治の原則)

 

そして当事者間の契約の内容は

契約当事者を拘束します

 

上記の契約だと、コーヒーを相手が飲んだら引き渡しを求める権利、二口連続で飲んではいけないという義務が生じたり

カブトムシを運んでくる義務、居候させる義務などに当事者が拘束されます

(細かく考えずにイメージでお願いします(笑))

 

今回のチケット売買にあたっては

チケットを購入する際に、

『東京2020チケット購入・利用規約』に同意する

というステップを踏んでいるはずですので

このチケット売買とその権利行使にあたり

この規約の拘束を受けるということになります。

 

例えば転売しようとすればチケット自体が無効になります(第35条2項)

 

ただ一方で

なんでもかんでも「当事者間の合意があるから」としてしまうと

弊害が出ます

 

人を殺す契約

週7日20時間働かせる契約

大企業が過大な営業文句で情報弱者の消費者にモノを売りつける契約

 

これらがまかり通ってしまうと公の秩序が乱れ、また弱者が虐げられることになります

 

 

そこで

公序良俗違反は無効(民法90条)とされたり

労働基準法や消費者契約法で

当事者間の契約自由をがっつり制限しているのです

 

これが契約の基本です

 

オリンピックチケットの売買は

組織委という法人と個人の契約です

その内容は特に公序良俗に反してはいないのでしょうが

消費者契約法の問題はあると思いますので、後述します。

 

 

【何を根拠に払い戻し不可になるの?】

 

上で述べたとおり

チケット購入者と組織委は

チケットの利用やチケットを巡る責任などについて

『東京2020チケット購入・利用規約』

に拘束されます

 

今回問題になっているのはチケットの払い戻しです

 

『東京2020チケット購入・利用規約』の

第39条には

 

第39条(セッションの中止)

1.当法人は、自らの裁量により、セッションを中止することができます。(略)

3.セッションが中止された場合は、チケット購入者は、東京2020チケット規約に従って払戻しを申請することができます。

 

と記載されており、それに続き

「第4 払戻手続」

という払い戻しに関する手続規約がありますので

およそ「払い戻し不可」というわけではありません

 

(組織委の発表はこのことを指摘しただけの逃げ口上だったんじゃないかという気がしています、混乱収束のための)

 

 

【今回のポイントは「不可抗力」規約】

 

もっとも、今回注目しなければならないのはこちらの規約です

 

第8      責任

第46条(不可抗力)

当法人が東京2020チケット規約に定められた義務を履行できなかった場合に、その原因が不可抗力による場合には、当法人はその不履行について責任を負いません。

今回、「チケット払い戻し不可」という第一報の根拠になったのがこの規定です

 

この規定の読み方が法律家の間で異なっているので

少し詳しく説明します。

 

1 「当法人が東京2020チケット規約に定められた義務を履行できなかった場合に」

 

契約のところで説明しましたが、チケット購入者は

「組織委という法人が運営するオリンピックの式典や競技(セッション)を見るために会場に入場し、観覧し、座席等を使用することが出来る権利」

を取得します

 

権利と義務は表裏なので

組織委側から見ると

「チケット購入者がオリンピックの式典や競技(セッション)を見るために、会場へ入場させ、観覧させ、座席等を使用させる義務」

と言い換えることが出来ます

 

つまりこれが

「当法人」(=組織委)が負う、東京2020チケット規約に定められた義務

ということになります

 

そしてオリンピックが中止になれば

この「義務を履行」できないことになります

 

「履行」って法律用語で分かりづらいですよね

要はちゃんとやること、実際にやることです

 

したがって

この規定を簡単に読み直すと

「オリンピックが中止になって競技をちゃんと見せられなくなった場合に」

ということです

 

 

2 「その原因が不可抗力による場合には」

 

不可抗力って人によって想定するものが違うと思いますが

今回の『東京2020チケット購入・利用規約』は

しっかりと定義付けしています

 

第1章<定義および解釈>

 第1条(定義)

本規約で使用される各用語の定義は、本規約で別途定めるほか、次のとおりとします。

(22)    「不可抗力」とは、天災、戦争、暴動、反乱、内乱、テロ、火災、爆発、洪水、盗難、害意による損害、ストライキ、立入制限、天候、第三者による差止行為、国防、公衆衛生に関わる緊急事態、国または地方公共団体の行為または規制など、当法人のコントロールの及ばないあらゆる原因をいいます。

「不可抗力」まで定義として規定しているのはさすがだなと思いました

 

今回の新型コロナウィルスの蔓延が

「公衆衛生に関わる緊急事態」

に該当するものであることは争いないだろうなと思います

 

ですのでこれも読み直すと

「その原因が新型コロナによる場合には」

となります

(ここはあんまり読み直す必要ないですね)

 

3 「当法人はその不履行について責任を負いません」

 

ここの解釈が争いになっていると思います

「不履行」

「責任」

が何を指すのかという問題です

 

ちょっとここは法律論なので複雑です

 

ここの「不履行」が何を指すと解釈するのかによって

組織委がこの「不可抗力」規定に基づいて払い戻しに応じなくてよいのかどうか

という結論が変わってくることになります

 

多分、なんのこっちゃと思われる方が多いと思いますので
「払い戻し請求できるのが原則」説
という僕から見ると反対説について少し触れたいと思います

 

まず「払い戻し請求できるのが原則」説の方々は

「当法人はその不履行について責任を負いません」という規定は、義務を履行できなかったことについて民法415条の責任を負わないという趣旨だと解しているようです

 

民法415条は

債務者(義務者)の責めに帰すべき事由によって履行することが出来なくなったときに損害賠償請求ができる

という規定ですので

 

義務を履行できなかったことについて、組織委の責めに帰すべき事由があった場合の責任(=民法415条の責任)を負わないという趣旨だと解しているようです

 

その結果、組織委の責めに帰すべき事由がない場合(不注意がない、やらかしがない)場合はこの「不可抗力」規定の適用はなく、民法の一般原則によって解決すべきということになる、と

 

民法の規定では

債務者(義務者)の責めに帰すべき事由がない場合は、債務不履行ではなく、危険負担(民法536条)の問題となるので

結論として契約関係を清算しなければならないから返金は受けられる

ということになるというものです

 

なお、他にも上記のチケット規約第39条も根拠にしているようです

第39条は、組織委が「セッション」を中止することができるとし、その場合に払い戻しができると定めていますので

中止=払戻だろう

という理解なのだと思います

 

これを一読して理解できるのは法律関係者だけですのでご安心ください

これから「それなりに」しっかりと解説していきます

 

【「不履行」問題】

 

① 「不履行」は債務不履行に限定される?

 

まずそもそも「不履行」という規定の意味ですが

なぜこれを

債務者に責めに帰すべき事由(帰責事由)がある債務不履行に限定して解釈しているのだろう?というのが第一の疑問です

 

債務者が「不履行」つまりちゃんとやれない場合には、以下の2通りがあります

 

務者(組織委)に

帰責事由(やらかし)がある場合

義務者(組織委)に

帰責事由(やらかし)がない場合

(不可抗力を含む)

債務不履行(民法415条)

履行不能・不完全履行・履行遅滞

⇒損害賠償

危険負担(民法536条)

⇒利益の償還をする必要

(不当利得・民法703条)

 

 

つまり
組織委の「不履行」の場合の責任・義務に関しては

組織委がオリンピックを履行できない(ちゃんとできない)ことについて

 

もし帰責事由(やらかし)がある場合は
債務不履行となって損害賠償の義務を負いますし
もし帰責事由(やらかし)がない場合は
危険負担の問題として契約関係は清算され、組織委が受け取った利益償還の義務を負います

 

規定上は「不履行」としか書いていないわけですから

「不履行」には

債務不履行(民法415条)だけではなく危険負担(民法536条)も含まれると解する方が自然です

 

というか、何をもって債務不履行に限定したのかがよくわかりません

 

 

 

② この解釈だと第46条は要らなくない?

 

勘の良い方は上記説明で違和感を抱いているかもしれません

 

415条の債務不履行責任は帰責事由(やらかし)がある場合に責任を負う規定です

裏を返せば、不可抗力の場合は債務者に帰責事由がないわけですから、

415条の債務不履行責任は負いません

 

第46条がもしも債務者に帰責事由(やらかし)がある場合の債務不履行責任を負わない

という規定だとすると

 

その原因が不可抗力による場合には、当法人はその不履行について責任を負いません。

 

という規定は

 

不可抗力の場合は、債務者に帰責事由がある場合の債務不履行責任を負いません

不可抗力の場合は、不可抗力の場合がそもそも対象外の債務不履行責任を負いません

という当たり前のことを注意的に定めた規定

屋上屋を架す規定

ということになってしまいます

 

むしろ読み方によっては

 

債務不履行について責任を負いません

組織委がやらかした場合の損害賠償責任も負いません

 

というトンデモ規定ということになりかねません。

 

規定を作成する以上、通常は法的に何らか意味がある規定にするはず

イベント契約などで、イベントキャンセルの場合の返金やキャンセル料などを契約書に盛り込むのは当然のこと

そして契約は当事者の合理的な意思に基づいて解釈するもの

 

組織委の責任を明らかにした「第8 責任」の中の第46条が

屋上屋を架す規定とは思えませんので

ここにいう「不履行」には組織委に帰責事由のない危険負担も含むと解するべきでしょう

 

 

③ 第39条に中止の場合の払い戻しが定められていることはどう考える?

 

これはちょっと難しい問題です

 

もう一度、第39条を見てみましょう

 

第39条(セッションの中止)

1.当法人は、自らの裁量により、セッションを中止することができます。(略)

3.セッションが中止された場合は、チケット購入者は、東京2020チケット規約に従って払戻しを申請することができます。

ざっとみると

中止になったら払い戻すって書いてあるでしょ

となりますが、そんな簡単ではない

 

まず「セッション」は第1条に定義があります

(7)      「セッション」とは、チケットが発行される対象となる特定の時間枠のスポーツイベントや文化イベントをいい、予選、本選、開会式、閉会式が含まれるとともに、表彰式その他のセレモニーを含むこともあります。

 

つまり「セッション」は、オリンピック大会そのものというよりも、個々のイベントや協議を指すと考える方が自然だと思います

 

チケットが発行される対象となる特定の時間枠のスポーツイベントや文化イベント

 

下線の部分が根拠です

 

ですので、第39条の払い戻しは個々のセッションが中止になった場合を想定していて
オリンピックそのものの中止は含まないと解することもできると思います

 

そもそも組織委は個々のセッションをその裁量で中止することはできても
オリンピックそのものの中止を決定することはできませんので
(オリンピックそのものの中止権限はIOC、組織委は東京都とJOCの出資で作られた組織でIOCとは別)

④ 小括

ということで第46条の「不履行」は
組織委に帰責事由がある場合の民法415条の債務不履行だけでなく
帰責事由がない場合(不可抗力)も含むと解すべきではないかと思います

 

 

【「責任」問題】

 

 

「不履行」が不可抗力での不履行も含むと解すると

上記のとおり、不可抗力の場合(帰責事由がない場合)は危険負担の処理となりますので

危険負担の規定に基づいて組織委が負う責任

つまり

利益償還義務(不当利得民法703条)を負わない

と解するのが自然です

(不可抗力の場合、組織委は基本的にこの義務以外の責任を負わないのではないかと)

 

 

【まとめ】

 

以上をまとめると

 

第46条(不可抗力)

当法人が東京2020チケット規約に定められた義務を履行できなかった場合に、その原因が不可抗力による場合には、当法人はその不履行について責任を負いません。

 

という規定を簡単にまとめると

 

オリンピックが中止になって競技をちゃんと見せられなくなった場合に、その原因が新型コロナである場合には、組織委は、危険負担によるチケット代金償還の責任を負いません

 

となります

 

追加で説明しますと

チケット代金が振り込まれた後に不可抗力でオリンピックが中止になった場合

536条に基づき、組織委はチケット代金(反対給付)を取得する権限がなくなりますので

不当利得としてチケット購入者に返金をする義務が生じます、本来は

 

でもチケット規約第46条によって、この利益償還義務がなくなりますよ

ということです

 

 

【消費者契約法違反には?】

やっと消費者契約法の話です

 

消費者契約法には以下の規定があります

これは情報弱者の消費者にとって一方的に不利な条項は無効になる

という法律の規定です

 

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

組織委は事業者にあたるでしょうし

チケット購入者は消費者にあたるでしょう

 

チケット払い戻しができない

というのは消費者の権利を制限するものですので、消費者契約法違反ではないかという問題が生じます

 

これは確かに意見は2分するかなと思います

 

以下、私見です

 

民法1条2項

「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」

 

これは信義誠実の原則(信義則)といって

簡単にいいますと

社会一般の倫理観念の要請に背かないようにしましょうねという規定です

 

そして消費者契約法10条は

通常の法律(今回は民法536条)の規定に比べて

チケット規約による消費者の権利制限が

信義則に反するほどエグイものになってたら無効

というものです

 

確かに、理由はどうあれ

中止になったら払戻しませんよという規定になっているなら

それは消費者に不利過ぎる、エグイものと思います

 

でも天災、戦争、テロ、そして新型コロナウィルスの蔓延のような公衆衛生に関わる緊急事態のような「不可抗力」の場合に限って

組織委の責任を免れさせる規定が

直ちに消費者に不利すぎる、エグイといえるかは結構微妙ではないかなと思います

 

組織委もオリンピック開催に向けて

人件費、会場確保、広告広報その他のPR活動などで多くの資金を支出しているはずです

 

イベント保険で補填しろという意見もありますが

保険会社も今回のような悪疫流行の場合は保険金の支払が免責される(要は支払わない)規定にしている可能性もあります

 

そしてもし組織委の資金が枯渇した場合、その補填のために投入される資金は

東京都の税金(JOCのお金も一部税金?)などでしょう

 

これらの事情からしても

チケット規約第46条がエグ過ぎて無効とまではいえないように思います

 

なおチケットの払い戻しを制限する規定の有効性が争われた裁判で

主催者側に帰責事由がない場合に返金を認めない規定

(オペラ出演者の変更を理由とするチケットの払い戻しを認めない旨の契約条項)

が有効であるとして、払い戻しを認めなかった地裁判決もあります(東京地裁平成25年10月25日判決)

 

したがって

消費者契約法でも無効にはならないのではないか

と思います。

 

 

【参考:東京マラソンはなぜ返金されない?】

 

先日の東京マラソンは一般走者全員キャンセルになりました

しかし参加料は返金されていないようです

 

東京マラソン2020の募集要項

https://www.marathon.tokyo/participants/guideline/pdf/guideline-elite.pdf

 

これにはこのように書いています

 

「積雪、大雨による増水、強風による建物等の損壊の発生、落雷や竜巻、コース周辺の建物から火災発生等によりコースが通行不能になった結果の中止の場合、関係当局より中止要請を受けた場合、日本国内における地震による中止の場合、Jアラート発令による中止の場合(戦争・テロを除く)は、参加料のみ返金いたします。なお、それ以外の大会中止の場合、返金はいたしません。」

 

・・・長いですが

前段に列記されている場合の中止については返金する

それ以外が原因の中止は返金しない

というものです

 

前段を見ると

天災地変やコース通行不能、関係当局の中止要請、Jアラートの場合などで

公衆衛生に関わる緊急事態、悪疫流行

は挙げられていません

 

そして政府からの中止要請も東京マラソン中止時点では出ていなかったでしょう

 

ですので

今回の新型コロナウィルスの蔓延は返金する場合に該当しないので

返金しないという規定通りの対応

になったのだと思います

 

 

【参考:ほかのイベントやコンサートの返金は?】

 

新型コロナウィルスの蔓延に伴って多くのイベントやコンサートなどが中止になっています

 

この場合にチケットの返金や業者間のキャンセル料などは

まさに契約書・規約により決められることになります

 

そして僕が見る限り、

公衆衛生に関わる緊急事態や悪疫流行の場合には返金

と書いている契約書は多くないと思います

 

不可抗力として天変地異、地震、台風などを列挙し、キャンセル料や賠償金を支払わないと記載している契約書は多いですが

この規定では新型コロナウィルスの蔓延でのキャンセルは含まれないという解釈になる可能性も高いと思います

 

ただ、コンサートチケットなどは返金されているケースも多いです

 

これは規約上返金しなければならないからというよりも

お客様には返金しておこう、今後のためにも

悪評を立てられても困るし

という政治的な判断で返金しているケースが多いと思います

 

【結論】 ※ここ大事!!

 

 

チケット規約を素直に読めば、払い戻しはされない可能性が高い

消費者契約法違反でもない

なのでもし中止になったらチケット購入者は泣き寝入りだろう

 

これが僕の意見です

 

もちろん国家的なイベントの中止なわけですから

規約はどうあれ返金くらいしようよ

という政治的な判断をして組織委が返金することは十分あり得ると思います

 

多くのイベントではこの対応がとられています

 

でもこれも一人の法律家の一つの解釈です

反対説からは当然反論があると思います

 

 

僕が言いたいのは

僕の意見が正しい!!

ということではなく

返金されるかどうかはまだ全然わかりませんよ!!

ということです

 

法律家でも意見が分かれるのだから組織委が返金を拒む可能性は十分にあります

 

その支払いを求めるには裁判が必要になるので回収は簡単ではない

 

組織委の「事実と異なる」という発表も妄信してはいけない

 

解釈が分かれるのに「払い戻しが原則」という耳に優しい情報を断定的に流すのは無責任ではないか

 

ということです

 

ネットの情報ってこういうところが怖いですね

 

もちろん僕は弁護士なので

チケットの返金を求めてくれという依頼を受けたら最後まで組織委を相手に戦います

自分で書いていて『組織委側はここが弱いな』と思うところもありますので

そこを突くことになるでしょう

 

というか

僕が一番言いたいことは

 

俺は東京オリンピックを絶対に見たい!!

 

ということです

 

長々お読みいただきありがとうございました。