【経営者必見!!】「破産は悪」ではない!!コロナ不況で経営者が絶対にやってはいけないこと! 資金ショート編

コラム

予想もできなかった新型コロナウィルスの全世界的蔓延と日本国内での緊急事態宣言,そして外出自粛などにより

新型コロナウィルス関連倒産が飛躍的に増加しています。

私のところにも,経営者の方,個人事業主・フリーランスの方,住宅ローン返済に不安を覚えている従業員の方など多くの方が

不安相談,債務整理や破産の相談に来られるようになっています。

このコロナ不況下で経営者の皆様に絶対知っておいていただきたいことを

金策編と資金ショート編の2回に分けてコラムにアップさせていただきました

https://www.youtube.com/watch?v=8j3jmvEAUiQ&feature=youtu.be

 

https://www.youtube.com/watch?v=8j3jmvEAUiQ&feature=youtu.be

 

なお動画でも前編・後編の2本立てでアップさせていただいておりますので

お時間おありの方はそちらもチェックしていただきたいと思います。

今回は後編「資金ショート編」です

 会社が資金ショートに陥った場合に、より適切な経営判断をしていただけるように,経営者が「絶対にやってはいけないこと」と「知っておくべきこと」、そのポイントを解説させていただきます。

 前回のコラムでやってはいけない4つの金策とこれから受けられる補助金・助成金等について解説させていただきました。

 しかしながら、補助金や助成金も一時的なものですので、経営改善・売上回復には至らず、資金ショートに陥って破産を検討しなければならない状態に陥る企業も少なくないと思われます。

 自社を愛し,責任感を持って経営されてきた方にとって,会社を資金ショートさせることや破産させることは断腸の思いだと思います。

 しかし,会社のM&A(吸収合併、会社売却)や事業譲渡が困難な場合,会社の廃業を適切なタイミングで行うことは経営者の権利であり義務であると思います。

 「何があっても最後まで経営を続ける」「会社と心中する」という精神論は,ときに無責任だと思います。

 会社の重要局面で必要なのは、精神論ではなく適切な法的知識と情報収集です。

 そんなことはわかっていると皆様思われると思いますが,いざ資金ショートを目前にして、淡々と廃業という選択ができる経営者の方がどれだけいるでしょうか。

 この廃業(法的には破産)という判断がやむを得ないとは気付きつつ、二の足を踏んでしまう大きな原因の一つが「破産は悪」という考え・呪縛ではないかと思います。

 少し厳しい内容にはなってしまいますが、今回は敢えて「破産は悪」ではないということについて解説させていただきます。その理由は4つです。

 

 

1 沈没船を操縦し続けるリスク

 会社の経営再建が相当厳しいことを薄々気付きながら経営を続けることは,経営者の方だけでなく,従業員,取引先,皆様の家族にかえって大きな負担を強いることになりかねません。

 売上が減少し、経費や月々の返済金等を賄えない赤字の状態を継続させることは,会社の資産をどんどん流出させ,経営者の個人資産や親族・友人からの借入を増やしていく結果を招きかねません。

 しかしながら,そのような会社経営もいつかは行き詰まり終焉を迎えます。

 会社が沈没しそうな船であると薄々気付きながら、なんとかなるだろうという精神論で漫然と経営を続けた結果,

 従業員への給与等(解雇予告手当、退職金等)の不払額の増大,取引先への未払金の増大,銀行借入額の増大,親族や友人からの援助の無価値化等、

 協力してくれた周りの方々・企業への負担増大ばかりをもたらす、かえって迷惑をかけるということも十分あり得ます。

 この局面で経営判断を誤ってしまうと、経営者個人が賠償責任を負わされることもあります。

 しかも破産をするにも費用がかかります。

 破産費用すら準備できない状態に追い込まれ,破産手続に入れないと,従業員の未払賃金立替制度の利用にも支障が出ますし,取引先が貸倒損失として債権を損金計上することもできなくなってしまいます。

 つまり沈没船を操縦し続けることは、沈没船の乗組員を安全に下船させる道を奪うこと、新たな乗客を船に乗せることに他ならないのです。

 経営者には会社の廃業を適切なタイミングに行う義務があると述べさせていただいたのは,

 破産という選択を適切なタイミングで行うことで会社関係者への影響を最小限にしなければならないということ、

 漫然と経営を続けることは会社関係者の利益を害する違法な行為になり得るということ

を改めて認識していただきたいからです。

 「破産は悪」ではなくむしろ漫然と経営を続ける方が「悪」といえるのではないかと思います。

 

 

 

2 経営者の自殺数の多さ

 

 警察庁の統計によると,国内での自殺者は毎年2万人を超えています。

 その自殺者のうち14%強の約1500人が「自営者・家族従事者」≒中小企業の経営者や自営業者とみることが出来るのではないかと思います。

 つまり自殺者の約7人に1人以上が経営者ということになります。

 人口1.2億人の日本国内にある中小企業・小規模事業者数は約350万社です。

 通常、各企業の経営者は1~3人程度でしょうから,経営者の自殺率がいかに高いかはお分かりいただけると思います。

 経営者の自殺の大きな原因は、経営者の責任を必要以上に感じてしまっていることと、「破産は悪」という考え・呪縛ではないか思います。

 私も仕事柄多くの経営者の方々と話をさせていただくことがありますが,ほとんどの方が自社を愛し,経営に真剣に取り組まれています。

 従業員やその家族のことを大切に思っています。

 だからこそ,破産という選択によって、多くの方に迷惑をかけてしまうことの責任や後ろめたさが重くのしかかり,精神を病んでしまうのだと思います。

 誰しも経営方法等について反省する点はあると思います。

 しかし,今般の新型コロナウィルス蔓延や東日本大震災のように不可抗力の場合もありますし,主要取引先が破産した場合のように外的要因によってやむを得ない場合等もあります。

 会社としてリスクのある選択をしなければならない場合も当然あります。

 しかし、どんな原因で会社の業績が伸び悩み,会社を破産させるという選択をせざるを得なくなったとしても,経営者自身の命を落とす必要など絶対にありません。

 自殺が頭をよぎるほど思い悩む必要もありません。

 僕自身,会社を破産させるという選択に踏み切れず,長い間寝るに寝られず悩み続け、経営者本人だけでなくその家族まで精神疾患となってしまったケースを複数件目の当たりにしています。

 会社代表者が経営苦を理由に自殺してしまった家族の相続処理をしたこともあります。

 批判を恐れずに敢えていうなら,日本の経営者はもっと無責任でいいと思います。

 

3 会社経営者は有限責任

 簡単にいうと,法律上,株主会社は株主のもので,取締役等の経営者は株主から経営等の委託を受けているに過ぎません。

 株主は出資の限度で責任を負うに過ぎませんし,経営者も注意義務を尽くして会社経営をしていればよく,経営不振の責任を何でもかんでも負う必要もなければ,個人資産で補填する義務もありません。

 経営者が会社の経営再建の見込みがないと判断をすれば,株主総会に諮るまでもなく破産という選択をすることも出来ます。

 この破産の時機を失し,かえって利害関係人に損失を与えてしまった場合の方が,経営者の経営責任(賠償責任)を問われることになりかねません。

 「破産は悪」などという呪縛にとらわれることなく,適切な時機に破産という判断をすることの方が、

むしろ経営者としての注意義務を尽くした会社経営といえるのではないでしょうか。

 

 

 

4 リスタートが認められる社会であるべき

 SNSが広まったことで,失敗した人叩きがエスカレートしています。

 私のところにもSNSなどでの誹謗中傷の相談が本当によく来るようになりました。

 このようなトラブルは明日は我が身です。

 人は誰でも失敗します。

 会社も経営判断を間違うこともあれば,他社の経営状態や国政の影響を受けることもあるでしょう。

 会社経営がうまくいかず破産する会社の経営者を責めるような言動は,

巡り巡って自分にはね返ってくると思います。

 破産法1条には

「債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする」

と規定されています。

 つまり,経営者を含めた全ての人に、経済的再生のチャンスを確保するための破産というリセットボタンを、法律が用意しているのです。

 破産という選択を法律が許容している以上,「破産は悪」ではなく「破産はリスタートをする権利」と開き直ることも必要ではないでしょうか。

 

 

最後に

 思いつめてしまっている経営者の方々に少しでも寄り添いたい、肩の荷を下ろしてもらいたいという気持ちからこのブログを書き始めました。

 会社の経営者の方から相談を受けているときに、「そんなに背負わなくてもいいと思いますよ」というアドバイスを何度したかわかりません。

 そしてブログの内容は、多くの会社案件、破産案件に携わってきた弁護士としてのあくまで私見です。

 経営者が心を痛め、悩んだ末導いた真摯な判断を,

 

一部のマスコミが使っている「あきらめ破産」などという無責任な表現で揶揄すべきではないこと,

 

経営者として適切な時機に破産することが経営者としての義務であること,

 

そして経営者自身やその家族の自殺などという悲劇を絶対に起こしてはいけないこと,

 

を祈ってまとめさせていただきました。

 

 当然様々な考えがあると思います。

 僕の意見に対しては、「経営者の足を引っ張るな」「無責任に破産を煽るな」「破産で儲けたいだけだろ」という批判もあるでしょう。そういった側面があることは否定するつもりはありません。

 経営を続けていくという選択も,破産をするという選択も新型コロナウィルス蔓延下では苦渋の選択だと思います。

 弁護士は破産するかどうかという法的な判断だけでなく,現時点での経営上の不安を解消するという役割も担うことが出来ます。

 お心当たりの方は一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

 

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