【NHKが映らないテレビ販売】受信料を支払わなくていいの?

コラム

国民の皆さんを対象に

『支払に納得がいかないものランキング』

を集計すれば、居酒屋のお通し代や飲食店でクレジットカードを利用する場合の手数料を超えて

恐らくトップ3には入るであろう『NHK受信料』

 

東京高等裁判所は今年6月に

「ワンセグ携帯を持っているだけでも受信料を支払うべき」

というびっくり判決を出しています。

問題になるのは放送法のこの規定

(受信契約及び受信料)
第六四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
日本中で
ワンセグ携帯を持っているだけでも
「協会の放送を受信することのできる受信設備を『設置した』者」
といえるのかを争う裁判が提起されています
この点について今年6月の高等裁判所判決は、ワンセグ携帯を持っていることも「設置した」にあたると判断したわけです
感覚的には
・設置と所持は違う
・携帯電話を持っていることを「設置」というのは強引じゃないか
と判断して
NHK敗訴判決を書いた平成28年8月のさいたま地裁判決の方がしっくりくるのですが・・・
さらにもう一つ、この放送法の規定の解釈が争われる可能性のあるニュースが出てきました
ソニーが「NHKが映らないテレビ」を今年販売する見込みとのことです
もう一度放送法をみますと
「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」
に受信料の支払義務が出るわけです
今回のソニーの商品は
NHK(日本放送協会)の放送を「受信することのできない設備」(チューナーのないモニター)なわけですから
この法律の規定を前提にすれば、受信料は払わなくても良いはず
問題は、このモニターは、「android OS」 が搭載されているため、パソコンと同様に
TVerのような民放の無料配信サービスを見ることができる
つまりいわゆる「テレビ」としても使えるということです
現在は、NHKのネット同時配信サービスはありませんが
来年2019年に同時配信が開始される可能性があります
こうなってくると、NHKの無料配信サービスを見ることのできる設備と解釈されて
受信料の支払義務ありと判断される余地が出てきてしまいます

(基本的な考え方は、見るか見ないかではなく、見れるか見れないか、なので)

 

しかも、上記のような解釈の争いを生まないようにするために

ネット受信料を義務付ける放送法の改正も議論になっているようです
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ27HZY_X20C17A6MM8000/
ただし、ネットに繋いでNHKの無料配信サービスを見得る環境がありさえすれば
受信料支払義務が出るという解釈運用になってしまうと
インターネットに繋がったパソコン、タブレット、携帯電話を持っていさえすれば
「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」
になってしまう可能性がでてきます
(上記のとおり、裁判所は携帯電話を持っていることが「設置」にあたるという解釈なので)
これって、ネット環境があるところは
ほぼ全てNHK受信料を支払わなければならないことになるという
恐ろしい事態です
本当にネットにつながったパソコンが設置された官公庁、裁判所、検察庁からも徴収するのか・・・
となると、法律改正の方向としては
・アプリのインストールをしたパソコン、タブレット、携帯電話に限り受信料支払義務を課す
・NHK無料配信サービスを受ける際にID登録をさせる
といった規定にするのが現実的なのかもしれません
長くなってしまいましたが
ソニーのモニターについては、
NHKの同時配信が始まっていない現在では
NHKを見ることはおよそできないので受信料の支払義務はないものと思いますが
来年、NHKの同時配信が始まってしまうと
解釈上、支払い義務が生じてしまう余地が出てきます
そして、放送法の法律改正によりネット受信料が定められることになれば
一定の要件を満たす場合
ネット受信可能なモニターも受信料の支払対象になってしまうと思われます
今後の放送法の法律改正の議論については
皆様も注目していただきたいと思います
~追伸~
ソニーのテレビはTVerが入らない仕様とのことなので
同様にNHKの同時配信も見られない設定なら、上記の問題は生じないかもしれません

abemaTV「有罪率99.9%」の刑事裁判で無罪連発 “勝訴請負人”弁護士の信念とは

 

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人

 

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