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 夫が起訴をされてしましました。どうやらいわゆる裁判員裁判になるそうです。裁判員裁判はどのような手続なのでしょうか。

弁護士からの回答

弁護士からの回答

 裁判員が関与する裁判は、裁判官3人と裁判員6人の9人で犯罪が本当に行われたかどうか、どの程度の刑罰とするのが妥当かについて判断を行うことになります。最終的な判断は9人の多数決で決定されます。

解説

裁判員裁判とは

裁判員裁判とは、平成21年より開始された制度で、国民が裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪だとしてどの程度の刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。

裁判員裁判の対象となる事件

裁判員裁判の対象となる事件には、主なものとして、殺人罪、強盗致死罪、危険運転致死罪、現住建造物放火罪などがあります。

裁判員裁判の進み方(起訴後から裁判前)

裁判員裁判では「公判前整理手続」というものが行われます。公判前整理手続は、検察官・弁護人・裁判官の三者が、事前にそれぞれの主張を表明し、争いとなっている点はどこなのかを明確にして、その点を集中的に審理できるようにするための手続です。
公判前整理手続はおおよそ1か月くらいの間隔で数回行われますので、起訴されてから実際の裁判になるまでの期間が長く、勾留されている場合には数ヶ月間勾留が続くことになります。

裁判員裁判の進み方(法廷での審理)

裁判員裁判は通常の刑事裁判と違い、数日間連続して裁判が開かれます。
法廷の壇上には裁判官が3人中央に座り、その横に裁判員の6人が左右に3人ずつ並びます。
裁判員は、裁判官同様に裁判に関与できるので、証拠書類を取り調べたり、証人尋問や被告人質問の際に証人や被告人に対して質問をすることができます。
裁判員からの質問が行われることは比較的多く、時には鋭い質問がされることもあります。

裁判員裁判の進み方(評議・評決)

証拠を全て調べ終わったら、別室にて「評議」が行われます。評議では、どのような事実が認められるのか、それを前提として被告人は有罪か無罪か、有罪だとすればどのような刑が妥当なのかについて裁判官と裁判員が議論を行います。
そのように議論をした上で、被告人に対する判決の内容を決定します。全員一致の結論が得られなかった場合には9人の多数決が行われます。多数決では、裁判員の1票と裁判官の1票は同じ重みを持っています。ただし、有罪と判断をするには裁判官の1人以上が有罪であるという意見に賛成していることが必要になります。

裁判終了後

裁判員裁判であっても、その判断に不服な場合は控訴をすることができます。
1審が裁判員裁判だったとしても、控訴審は裁判官3人のみで判断されることになります。