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管理費未払のご相談

ご相談内容

私は、マンション管理組合の理事をやっています。「管理組合に入った覚えはない」と、入居以来3年間に渡り、管理費を滞納している所有者がいます。どのように対処すればよいでしょうか?

回答

管理組合への加入義務

マンションを購入して区分所有者になると、必然的に管理組合の組合員となります。建物の区分所有等に関する法律3条に、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体を構成」すると規定されています。マンションの管理の適正化の推進に関する法律でも、4条2項で、「マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない」と、区分所有者がマンション維持管理に参加することを義務づけています。

管理費とは

管理費の金額は、管理規約で定められている場合と、管理組合の集団決議で決められている場合があります。管理費といわれるものには、毎月・毎年の維持管理に使用する「管理費」のほか、将来の修繕や改修のために積立てておく「修繕積立金」も含まれています。この他、敷地内駐車場使用料も管理費として徴収している場合もあります。
区分所有者は、マンション維持管理の義務を負っていますので、維持管理のための費用負担もまた区分所有者の責務です。

管理費滞納

マンションの所有者は管理費を支払う義務があります。管理費を滞納している所有者に対して、管理組合は管理費支払催告後、支払い請求調停や訴訟を行うことになります。訴訟において、管理費を滞納している所有者に支払いを命じる判決がなされた場合、自動車や預金などの財産を差し押えることができます。管理費滞納の所有者が競売を申し立てられている場合は、管理費を滞納している所有者に支払いを命じる判決がなくとも、先取特権(7条1項)に基づいて配当要求できます。

専有部分の使用差し止めが可能か?

建物区分所有法6条1項は、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」とし、この規定に違反する区分所有者に対して、専有部分の使用禁止請求ができる(法58条1項)としています。
管理費を滞納することは、マンションの基本ルールを破ることですので、管理費滞納所有者に対して、マンションの使用差し止めを求めることができるのでしょうか。この点、判例では、「使用禁止を認めても管理費滞納解消の実効性がない」として、専有部分の使用差し止めを認めませんでした。

弁護士に依頼した場合

所有者側のご相談

管理組合とのやりとりの仕方や、訴訟を起こされた場合の対応等、法的なアドバイスをいたします。

管理組合側のご相談

滞納所有者への対応方法等、法的なアドバイスをいたします。交渉や訴訟の代理も行っております。

当事務所における解決例

管理費滞納の所有者に対し、内容証明郵便にて催告状を送付し、滞納管理費を回収することができました。

管理費の金額が高いという理由で、所有者が管理費の支払いを拒んでいたため、管理費の使途を詳しく説明し、所有者に納得いただき解決に至りました。

Q&A

Q1 私が所有・居住しているマンションは、管理費が周辺の同程度の物件よりだいぶ高いようです。管理費値下げは可能でしょうか?

A 管理費は管理の質に関係しますから、自分たちがどんな管理を必要とし、現状行われている管理で不要なものはないか、

Q2 管理費を滞納している区分所有者がマンションを売却しました。新しい所有者に滞納管理費を請求することはできますか。

A 管理費を滞納している区分所有者がマンションを売却した場合、マンションの買い主にも滞納管理費支払義務が発生します。買い主が売り主の滞納の事実を知っていたか、知らなかったかは問いません。