【踏切の遮断器を切断?!】何罪になるか簡単に解説しました!

コラム

僕の事務所の近く

船橋市宮本の京成船橋競馬場駅近くの踏切の遮断機を

のこぎりで切断した人の動画が拡散しています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190413-00000018-asahi-soci

 

この行為は、犯罪であることは明らかです。

具体的には、以下の犯罪に該当する可能性があります。

 

器物損壊罪 3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料

(器物損壊等)
第二百六十一条前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

 

京成電鉄の所有物を損壊しているので、この罪に当たることは明らか

 

威力業務妨害罪 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

(威力業務妨害)
第二百三十四条威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例(偽計業務妨害罪 三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)による

 

踏切の遮断機が壊された場合、職員が遮断機の交換作業をしなければなりませんし、交換を完了するまでの間は、遮断機の近くに立ち、手信号等で安全を確保しなければならないという余計な仕事をしなければならなくなります。

 

往来危険罪 2年以上20年以下の懲役

(往来危険)
第百二十五条鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、二年以上の有期懲役に処する。

 

踏切は、自動車や歩行者が横断できますが、電車が近づくと、轢過等の事故にならないように、遮断機が下がって交通を制限するかたちで、安全確保がなされています。

遮断機を破壊する行為は、この鉄道の秩序を乱し、電車と自動車や人の衝突や、場合によっては電車の脱線にも発展しかねない重大な危険を生じさせる可能性のある行為です。

踏切の遮断機の片方だけを切るだけで、この罪が適用される可能性は高くはありませんが、

状況によっては、適用可能性もあるということは知っておいていただいた方がいいと思います。

鉄道営業法違反 科料

線路内にみだりに侵入する行為は

鉄道営業法違反(37条)に違反します

刑罰は科料(1万円未満の罰金)

在来線の線路だとこのように軽い罪にしかなりませんが

新幹線の敷地だと

新幹線特例法違反となり

1年以下の懲役もしくは5万円以下の罰金

となりますのでご注意ください

(先週逮捕された方が出ましたね)

【参考】

「往来の危険」については、以下のように解されています

汽車又は電車の脱線,転覆,衝突,破壊など,これらの交通機関の往来に危険な結果を生ずるおそれのある状態をいい,単に交通の妨害を生じさせただけでは足りないが,上記脱線等の実害の発生が必然的ないし蓋然的であることまで必要とするものではなく,上記実害の発生する可能性があれば足りる(最高裁昭和35年2月18日判決・昭和36年12月1日判決参照)

 

まとめ

開かずの踏切は日本中にあり、

朝の通勤時などに、やきもきされている方々も多いと思います

 

しかし、切ってはダメですよね。

こういう開かずの踏切のような問題については

役所などへの陳情、市議・県議などの選挙を通じて是正を求めていく正攻法でやっていくしかありません。

 

abemaTV「有罪率99.9%」の刑事裁判で無罪連発勝訴請負人弁護士の信念とは

 

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人

 

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