総武本線市川駅南口から徒歩1分。無料法律相談のご予約は 0120-413-127

LINEのやりとりなどを見る限り

所属する芸能事務所の社長が、「愛の葉Girls」(えのはがーるず)の大本萌景(ほのか)さんに対して送っていたLINEが

パワハラ等の違法なものにあたることは明らかなように感じます

https://www.fnn.jp/posts/00373750HDK

 

 

芸能事務所を訴える訴状は、明日(10/12)松山地裁に提出されるようなので

具体的な訴訟の内容は明日以降しかわかりませんが

この紛争を見るにあたって

知っておいていただきたい

『アイドルと芸能事務所の関係』

について簡単に解説させていただきます

 

まず、アイドルが活動するにあたっては

通常は芸能事務所と呼ばれる事務所に所属します

 

そして所属する際に締結する契約は

「マネジメント契約」

「専属契約」

「専属マネジメント契約」

と呼ばれます(名前が違うだけで実体は一緒です)

 

注目すべきは、タレントと芸能事務所との関係が雇用契約ではないということです

 

雇用契約であれば、アイドルは「労働者」ということになり

過重労働の禁止、一日の労働時間や休憩時間の定め

休暇、有給、時間外勤務の給与増額等

労働者にとって有利で、かつ使用者を強く拘束する法律により守られます

 

しかし、専属マネジメント契約は、雇用契約そのものではないため

基本的には「労働者」ではなく、上記のようなメリットを享受できません

 

ですので、アイドルには、いわゆる職場のパワハラの問題が生じない

深夜早朝の仕事もさせ放題、休暇もなし

ということに論理的にはなり得ます

 

しかしそれでは

芸能事務所からアイドル活動の対価(報酬)をもらい

芸能事務所の経営者の指示どおりに働かされていて

実質的には労働者と相違ないアイドルの保護に欠けることになります

そのため

労働基準法等を適用すべきではないか

という考え方がなされるようになりました

 

そして今では

芸能事務所とタレントの契約名が「専属マネジメント契約」であっても

・仕事を選ぶ余地がない、断ることが出来ない

・時間の拘束が強い

・時間に応じて報酬額が決まる

というような実態がある場合は、それはもはや「労働者」とかわりませんので

アイドルも「労働者」にあたるものとされ

労働基準法その他の労働法規の適用を受けることになります

 

この点が争いになった裁判も過去に多くありますし、

昭和63年の下記の通達は

ある意味このような流れのはしりかもしれません

 

【通達】
昭和63年7月30日基収355号
次の要件を全て満たす場合は、
そもそも労働基準法上に定める労働者ではない
1 当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、
  芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっていること。
2 当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではないこと。
3 リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても
  プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはないこと。
4 契約形態が雇用契約ではないこと。

 

僕の個人的な予想としては

アイドルの「労働者」該当性も争点になると思いますが

それよりも

16歳のアイドルが将来にわたって得られるはずだった収入(逸失利益)

をどのように計算しているのかの方に注目しています

 

この逸失利益をどう計算するかで

芸能事務所が負わなければならなくなる賠償額が大きく決まってくるからです

 

仮に普通の高校生だった場合

計算は省略しますが、通常賠償額が大きくなる逸失利益と慰謝料は、

概算で

逸失利益が約3000万円

慰謝料も約3000万円

合計約6000万円

となります

 

不法行為が故意に行われていたような場合や

悪質性が高い場合は

慰謝料を1.5倍程度に増額することもありますが

この処理を行っても慰謝料4500万円

 

やはり9268万円という金額は

同年代の女性の平均賃金で逸失利益を計算したのではなく

「アイドルとしての収益」

を見込んだ逸失利益の計算をしているものと思われます

 

訴状の具体的な内容が出たら

また解説させていただきます

 

abemaTV「有罪率99.9%」の刑事裁判で無罪連発 “勝訴請負人”弁護士の信念とは

 

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人

 

市船への招待状